患者さん・一般の方へ

臨床研究・臨床試験・治験とは

「臨床研究」は病気の治療法や予防法の開発が目的です。

治療開発の研究、病気の原因を調べる研究等の様々な臨床研究の中で、新しいくすりや治療法が、病気に対して効果があり安全であるかどうかを、実際に患者さんに協力していただいて研究することを「臨床試験」といいます。
その中でも新しいくすりを開発し、厚生労働省の審査を受けるために行われる試験を「治験」といいます。

現在、私たちが使用しているくすりや治療法も、多くの先人たちの協力によって誕生したものであり、それまで治らなかった病気も治るようになってきました。
しかし、全ての病気が治るようになったわけではなく、病気を治すために新しいくすり・治療法が待ち望まれています。

がん治療においても、その治療成績はいまだ満足できる状況ではなく、その進歩を急がなくてはならないため臨床試験を進めていくことが必要になります。
これから誕生するくすり・治療法は、次の世代への贈り物です。


抗がん剤の臨床試験・治験の流れ

1.前臨床試験

ヒトに投与される前の段階のものです。どのように抗がん剤が発見されるかというと、植物の成分、細菌の培養液などの自然界からのものもありますし、また最近では技術革新により人工的に合成することも可能になってきました。  

製薬会社の研究者や医師が「くすりのもと」となりそうな物資を探します。くすりのもとの効き目と安全性を調べるため、ネズミなどの実験動物を使い、詳しく調べます。

動物が副作用に耐えられる投与量の範囲でのがんに対する効果を調べ、ヒトではその副作用はどういう種類でどの程度かなどを予想・検討した結果、抗がん剤になりそうだと見込まれたものだけが残され、次のステップとしてヒトへ投与されていきます。

2.臨床第I相試験

初めてヒトに投与される段階のもので、通常は健常成人が対象ですが、抗がん剤の場合は、患者さんが対象となります。

主な目的は、薬物動態(吸収、分布、代謝、排泄)や安全性(有害事象、副作用)について検討することです。抗がん剤の場合は、用法・用量の検討をすることも重要な目的となります。

海外で開発が先行し既に市販されているような抗がん剤でも、日本人での安全性を評価しなければならないため、まずこういった臨床試験が行わなければなりません。また、この相の試験は非常に難しい内容であるため、我が国でも行える施設は限られています。

研究的な側面が強く、対象となるのは標準的な治療法が効かなくなった患者さんや、標準的な治療法がないがん患者さんであることが多いです。

 

3.臨床第II相試験

第Ⅰ相試験で得られた結果をもとに安全に投与できると考えられる投与量を決定します。その投与量を用いて、今度はがんの種類を絞り、症例数を増やして検討していきます。

主な目的は腫瘍に対する効果をみることで、腫瘍の縮小を目安とすることが多いです。また、安全性の評価もされ、第Ⅰ相ではあまり行われない反復投与における副作用も見ていきます。

ここで有効性、安全性が確認され市販する価値のある抗がん剤と判断されたものが厚生労働省へ申請され、許可を受けて市販に至ります。

4.臨床第Ⅲ相試験

第Ⅱ相試験で有望と判断されただけでは、標準治療(該当するがんに対して、最も生存効果や、再発予防効果などが高い治療)とはなりません。今までの治療法と公正に比較してどうかという点を検討し、優れているということを証明していかなくてはなりません。それを行うのがこの第Ⅲ相臨床試験になます。

主に比較する項目は生存期間や無再発生存期間であることが多く、多数の患者さんに参加していただき、長期に経過観察することになります。「腫瘍の縮小=生存の延長」かというと、必ずしもそうではなく、例えば副作用によって死期を早めるということもあるため、最終的な生存期間で評価をするのです。ここでより優れた治療法が、次の標準治療として実地医療に利用されていきます。

具体的には従来の治療法と新しい治療法を比較する試験です。このような試験では、無作為化といって、二つの治療法を比較する場合、どちらの治療法になるか患者さんも医療者も決めることが出来ない方法が良く使われますが、公正にどちらの治療法が良いかを正確に評価するための手段として一般的に用いられている方法です。


臨床試験・治験への参加について

臨床試験・治験は、参加される患者さんの人権と安全性の保護を最大限に配慮しながら、「くすりのもと」の効き目と安全性などを慎重に調べることです。医師から臨床試験・治験への参加について説明があった場合には、その内容について十分な説明を聞いてから、参加するかどうかを患者さん自身の自由な意思で判断してください。

当センターでは、治験に安心して参加してもらえるよう、臨床研究コーディネーターがさまざまな面から、治験に参加する患者さんや治験を実施する医師のサポートを行っています。

また、当センターでは、厚生労働省関係、文部科学省関係、各がんにおける多施設での研究グループなどに参加して、臨床試験を行っています。

ただし、臨床試験・治験の治療を希望したとしても全ての患者さんに参加していただけるわけではありません。がんの種類は決められており、参加していただくためには厳密な条件がありますので、希望される方、詳細をお聞きになりたい方は下記までお問い合わせください。

臨床試験管理センター TEL:028-658-5151(代表)028-658-6643(直通)Email:chiken@tochigi-cc.jp


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