臨床検査科

常勤医師

担当医師名 診療日 専門分野/学会認定等

和泉 透
(いずみ とおる)
和泉 透

東北大学卒 医学博士
血液内科科長兼臨床検査科科長

・日本内科学会認定総合内科専門医・指導医
・日本血液学会血液専門医、指導医・代議員
・日本輸血細胞治療学会認定輸血認定医
・日本感染症学会認定感染症専門医
・日本化学療法学会認定抗菌化学療法 認定医
・ICD制度協議会認定医
・日本がん治療認定医機構がん治療認定医
・日本骨髄腫学会代議員
小山 靖夫
(こやま やすお)

岡山大学卒 医学博士
名誉所長 臨床検査科医師

・日本癌学会名誉会員
・日本癌治療学会功労会員
・大腸癌研究会名誉会員
・日本消化器外科学会特別会員
・日本大腸肛門病学会特別会員

検体検査部門

検体検査部門では患者さんから採取された検体(血液や尿、穿刺液など)を用いて分析・検査を行っています。一般的な病態把握を行うために院内において多 くの日常検査を行っています。また一部の検査項目については外来診察前に患者さんの状態を把握するために、診察前検査として迅速に検査結果を出す体制を 取っています。このほか一部の特殊検査や精密検査の中には、外部の検査センターに依頼しているものもあります。これらの検査については内部・外部精度管理 を通じて常に高い精度を保つよう努めております。

血液や尿、糞便、喀痰などの身体から取り出された検体を用いて検査を行います。

当センターの基準値については、こちらをご覧ください。


臨床化学検査(生化学検査)

臨床化学検査室では、体内の酵素、脂質、含窒素成分、電解質、糖の代謝などを検査しています。
血液中に含まれている様々な成分を分析し、病気の診断や治療効果の判定などに用いられます。
当センターでは、採血から60分程度で検査結果を報告しています。

1.酵素活性検査

検査項目 基準値 (単位) この検査でわかること
ALP
(アルカリフォスファターゼ)
128~350 U/L 肝・骨・胎盤・小腸の働きに関係がある酵素で肝・胆道疾患や骨の病気などで上昇します。
AST
(GOT)
12~32 U/L “トランスアミナーゼ”とも呼ばれていま す。ASTは肝・骨格筋・心筋・腎・赤血球など、ALTは肝・腎・心筋など多くの臓器組織細胞中に含まれています。これらの臓器が障害された際、血液中に 出てくるため高値になります。ALTはASTに比べて肝(障害)に特異性が高いといわれています。ASTは骨格筋にも多く含まれているので筋肉運動でも高 値になります。
ALT
(GPT)
2~38 U/L
LDH
(乳酸脱水素酵素)
119~229 U/L あらゆる組織、とくに、心臓の心筋・肝臓・腎臓・骨格筋・血球に多く含まれています。それらの組織に障害がないかを調べる検査です。
CHE
(コリンエステラーゼ)
212~485 U/L 肝臓で合成される酵素で、主に肝臓が障害を受けると低値になります。
LAP
(ロイシンアミノペプチダーゼ)
36~73 U/L 様々な臓器や胆汁中に広く分布する酵素です。黄疸の鑑別や肝・胆道系疾患の診断、経過観察などに用いられます。
γ-GTP
(γ-グルタミルトランスフェラーゼ)
♂ 70以下
♀ 50以下
U/L 肝臓・胆道系の機能を調べる検査です。肝障害、飲酒によっても上昇します。
CPK または CK
(クレアチンキナーゼ)
40~218 U/L 心臓の心筋や骨格筋などの組織・細胞に炎症(障害)などがないかを調べる検査です。激しい運動のあとも高値になることがあります。
AMY
(アミラーゼ)
43~132 U/L 膵臓や唾液腺より分泌される消化酵素です。慢性・急性膵炎や耳下腺炎で上昇します。

2.脂質検査

検査項目 基準値 (単位) この検査でわかること
TC
(総コレステロール)
120~250 mg/dL 主に肝臓で作られるため、肝臓での合成・分泌の状態、腸管での吸収や栄養状態のひとつの目安となります。動脈硬化性疾患や糖尿病などで高値になることがあります。
TG
(中性脂肪))
39~182 mg/dL 動脈硬化性疾患の危険因子といわれています。過食、飲みすぎ、運動不足などは高値の原因になる場合があります。
HDL-C
(HDLコレステロール)
♂ 33~83
♀ 43~97
mg/dL “善玉コレステロール”とも呼ばれ、低値は動脈硬化性疾患の危険因子とされています。

3.含窒素成分検査

検査項目 基準値 (単位) この検査でわかること
UN
(尿素窒素)
8.0~21.0 mg/dL 腎臓の機能を調べる検査です。腎不全・火傷や大量のたんぱく質を摂取した場合に上昇します。
CRE
(クレアチニン)
0.40~1.00 mg/dL 腎臓の機能を調べる検査です。腎臓の機能が低下すると血液中に増えてきます。食事などの影響をうけないため腎機能のすぐれた指標になります。
UA
(尿酸)
♂ 3.2~7.0
♀ 2.3~6.0
mg/dL 魚介・肉・豆類などたんぱく質の豊富な食物にはプリン体が多く含まれています。このプリン体の最終産物(老廃物)が尿酸です。尿酸が増えすぎると痛風の原因になります。
NH3
(血中アンモニア)
20~70 μg/dL 肝機能の重症度を推測したり、肝性昏睡時の病態把握にも利用されます。
T-BIL
(総ビリルビン)
0.30~1.10 mg/dL ビリルビンは赤血球中のヘモグロビンが分解してできる黄色い色素です。肝臓の機能や黄疸の有無などを調べる検査です。
D-BIL
(直接ビリルビン)
0.06~0.30 mg/dL

4.電解質・無機物検査

検査項目 基準値 (単位) この検査でわかること
Na
(ナトリウム)
135~146 mmol/L 体液の量や浸透圧の調節をします。欠乏すると脱水症、過剰になると浮腫(むくみ)の原因になります。

(カリウム)
3.7~5.2 mmol/L 神経細胞の働きや筋肉の収縮に関与しています。腎不全などで高値、嘔吐・下痢などで低値をしめします。
Cl
(クロール)
96~108 mmol/L 体の酸塩基平衡や浸透圧を調節します。水分の代謝異常(浮腫・嘔吐・下痢等)や酸塩基平衡異常の疑いがある場合に検査します。
Ca
(カルシウム)
8.7~11.0 mg/dL 骨代謝やホルモンの分泌や生成に関与しています。副甲状腺や骨疾患・腎不全などで異常値をしめします。

(無機リン)
2.3~4.5 mg/dL 内分泌・骨代謝に異常がないかを調べる検査です。

5.蛋白検査

検査項目 基準値 (単位) この検査でわかること
TP
(総蛋白)
6.8~8.4 g/dL 栄養状態と肝・腎臓機能を調べる検査です。肝硬変などの低蛋白血症で低下し、脱水や多発性骨髄腫で上昇します。
ALB
(アルブミン)
3.9~4.9 g/dL 肝臓で合成される水溶性の蛋白質です。栄養状態の悪化や肝障害の程度を反映して低下します。
A/G
(アルブミン対グロブリン比)
1.2~2.0   総蛋白(TP)はアルブミン(A)とグロブリン(G)に分けられ、その比率を調べる検査です。
CRP
(C反応性蛋白)
0.30以下 mg/dL 炎症やからだの組織が壊れた場合に増える蛋白質で、回復とともに減少するので炎症症状の目安となる検査です。

6.金属検査

検査項目 基準値 (単位) この検査でわかること
Fe
(血清鉄)
53~172 μg/dL 貧血の病態把握を行うための検査です。鉄は赤血球のヘモグロビンのもとになる成分です。

7.糖代謝検査

検査項目 基準値 (単位) この検査でわかること
血糖
(グルコース)
70~120 mg/dL 血糖とは血液中のブドウ糖のことです。糖尿病発見の手がかりになる検査です。食事によって変動(食後は上昇)するため通常は空腹時に採血します。
HbA1c(NGSP)
(グリコヘモグロビンA1c)
4.7~6.2 糖尿病がどの程度コントロールできているかを調べる検査です。過去1~2ヶ月の血糖の状態をみることができます。食事の影響は受けません。

8.機能検査

検査項目 基準値 (単位) この検査でわかること
ICG停滞率
(インドシアニングリーン試験)
10以下 肝機能検査のひとつで肝硬変の診断や肝予備能の評価、肝切除術の術前検査に用いられます。
ICG消失率
(インドシアニングリーン試験)
0.168~0.206  
CCR24時間法
(クレアチニンクリアランス)
♂ 62~108
♀ 57~78
ml/min 腎機能検査のひとつで腎障害の程度を知る目安となります。

免疫血清検査

免疫血清検査室では、がん細胞が多く生み出す特殊な物質(腫瘍特異物質)、甲状腺ホルモン、感染症の有無を調べる抗原や抗体(感染症関連物質)などを検査しています。

当センターでは、採血から90分程度で検査結果を報告しています。

1.腫瘍特異物質検査 がんの存在と推移を知るのに役立ちます。

検査項目 基準値 (単位) この検査でわかること
CEA 5.0以下 ng/mL 甲状腺・大腸子宮・その他の多くの臓器のがんや肺炎や肝硬変や膵炎や結核や糖尿や腎不全や喫煙者などで上昇することがあります。
CA125 35.00以下 U/mL 卵巣子宮膵臓大腸などのがんや子宮内膜症や良性の卵巣腫瘍などで上昇することがあります。
CA15-3 28.0以下 U/mL 乳がん卵巣がんや良性の乳腺疾患などで上昇することがあります。
AFP 10.0以下 ng/mL 肝細胞がん肝炎肝硬変などで上昇することがあります。
CA19-9 37.0以下 U/mL 膵臓胆のう肝臓大腸卵巣など多くの臓器のがんや膵炎や肝炎などで上昇することがあります。
PSA 4.00以下 ng/mL 前立腺がんや前立腺の炎症や前立腺の肥大で上昇することがあります。
SCC 1.5以下 ng/mL 子宮食道などのがんや気管支などの上気道疾患などで上昇することがあります。

2.甲状腺ホルモン検査 甲状腺の病気の種類や程度を調べる検査です。

検査項目 基準値 (単位) この検査でわかること
TSH
(甲状腺刺激ホルモン)
0.35~4.94 μIU/mL 甲状腺ホルモン(FT3、FT4)は下垂体の甲状腺刺激ホルモン(TSH)の働きにより血液中に分泌され、体の代謝に重要な働きをしています。過剰に分泌されると甲状腺機能亢進症、分泌が少ないと甲状腺機能低下症になります。
FT3
(遊離トリヨードサイロニン)
1.71~3.71 pg/mL
FT4
(遊離サイロニン)
0.70~1.48 ng/mL

3.感染症関連物質検査

検査項目 基準値 この検査でわかること
RPR定性 (-) 梅毒感染の有無を調べる検査です。
ただし、RPR定性は肝疾患やウィルス感染症や自己免疫性疾患などで陽性になることもあります。
TPHA定性 (-)
HBs抗原 (-) B型肝炎ウィルス感染の有無を調べる検査です。
HCV抗体 (-) C型肝炎ウィルス感染の有無を調べる検査です。
HIV抗原・抗体 (-) AIDS(後天性免疫不全症候群)の原因ウィルスHIV感染の有無を調べる検査です。

血液検査

血液検査室では赤血球数・白血球数・血小板数などの測定や血液細胞の形態観察、出血傾向の有無などを検査しています。これらは、貧血、炎症、血栓症、白血病などの病気の診断・経過観察などに用いられます。

当センターでは、末梢血液検査、血液像検査、凝固検査の検査結果は60分程度で即日報告をしています。

1.末梢血液検査 貧血や感染症の有無などを調べる検査です。

検査項目 基準値 (単位) この検査でわかること
WBC
(白血球数)
♂ 35.0~96.0
♀ 30.0~85.0
×102/μL 白血球は細菌などを貪食し、殺菌する働きや免疫情報を伝達する働きなどしています。血液疾患や炎症性疾患の診断・経過観察などに用いられます。
RBC
(赤血球数)
♂ 387~525
♀ 345~460
×104/μL 赤血球は骨髄でつくられ、体の細胞に酸素を運ぶ働きをしています。多血症などで増加し、貧血などで減少します。
Hb
(ヘモグロビンまたは血色素)
♂ 13.2~17.2
♀ 10.8~14.9
g/dL 血液の赤い色は赤血球に含まれるヘモグロビンによるもので、赤血球の働きの中心的役割をしています。貧血の有無などを調べる検査です。
Ht
(ヘマトクリット値)
♂ 37.5~49.0
♀ 32.0~43.0
ヘマトクリットは、一定量の血液中に含まれる赤血球の割合を調べる検査です。
Plt
(血小板数)
15.0~36.0 ×104/μL 血小板は出血した時に、血栓を作り出血を止める重要な働きをします。出血傾向の有無や血液疾患の診断・経過観察などに用いられます。

2.血液像

検査項目 基準値 (単位) この検査でわかること
好中球 37.0~72.0 細菌などの体内異物の貪食や除去が主な役割です。細菌感染症や組織障害などで増加します。また、ウイルス感染症や血液疾患、膠原病などで減少します。
好酸球 0.0~6.0 寄生虫感染やアレルギーなどで増加します。
好塩基球 0.0~1.0 急性アレルギーなどで増加します。
リンパ球 20.0~50.0 主に免疫能を担っています。
単球 0.0~14.0 主に免疫・炎症に関与します。

3.凝固検査

検査項目 基準値 (単位) この検査でわかること
PT
(プロトロンビン時間)
9.9~11.8 血液の凝固反応に関係するたんぱく質「凝固因子」が正常に働くかを調べるのが凝固検査です。手術をするとき、あるいは薬を投与するときの治療の指標となります。また、凝固因子の多くは肝臓で造られるので、肝疾患の病態把握にも使われます。
PTは外因系、APTTは内因系の凝固因子の働きを反映しています。Fibは、出血を止める糊の役目(フィブリン)の素となるたんぱく質です。急性炎症で増加することもあります。
APTT
(活性化部分トロンボプラスチン時間)
23.0~40.0
Fib
(フィブリノーゲン)
200.0~420.0 mg/dL
ATⅢ
(アンチトロンビンⅢ)
75.0~125.0 ATⅢ活性は血管内の凝固反応を抑える働きをみる検査です。
FDP
(フィブリン/フィブリノーゲン分解産物)
5.0以下 μg/mL FDPとDダイマーは、体内にできた血栓を溶かす「線溶系」の反応をみる検査です。これらは、血栓症の診断、特に全身の血管に微小血栓ができてしまう「播種性血管内凝固症候群(DIC)」を診断するためにも行われます。
Dダイマー 1.0以下 μg/mL

4.骨髄検査

症状や末梢血所見から白血病などの血液疾患が疑われた場合には骨髄穿刺が行われ、骨髄塗抹標本(ライト・ギムザ染色)を作成し鏡検します。必要に応じて特殊染色もおこなっています。

白血病とは

血液のがん(主として白血球、まれに赤血球、血小板などから発生することもある)です。血球を作る細胞(造血幹細胞)が、骨髄中でがん化して無制限に増殖し続ける病気です。白血病は大きく分けると急性白血病と慢性白血病に分類されます。

【急性リンパ性白血病(ALL)の骨髄像】
幼若なリンパ系の細胞が増殖しています。
【急性骨髄性白血病(AML)の骨髄像】
幼若な骨髄系の細胞(骨髄芽球)が増殖しています。
【急性前骨髄球性白血病(APL)の骨髄像】
細胞質にアウエル小体という短い線のような構造物が束になって存在するファゴット細胞が出現するのが特徴です。
【慢性リンパ性白血病(CLL)の骨髄像】
小型のリンパ球(成熟したB細胞)が増殖しています。
【慢性骨髄性白血病(CML)の骨髄像】
いろいろな成熟段階の骨髄系の細胞が増殖しています。また、好酸球(←)や好塩基球が増えるのが特徴です。
多発性骨髄腫とは

形質細胞が悪性化し単クローン性に増殖する疾患です。血清中にM蛋白という異常免疫グロブリンが増加し、その一部が尿中にも認められます。

【多発性骨髄腫の骨髄像】
細胞質が青く染まり核周明庭を持つ異常形質細胞が増殖しています。

一般検査

一般検査室では、尿定性、尿沈渣、便潜血、髄液の検査などを検査しています。
尿定性検査は、尿中に過剰な蛋白や糖などの成分が出ていないか、尿道や尿管で炎症や出血が起きていないかを調べます。
尿中には尿を作る腎臓の状態を反映する成分や、尿管や膀胱の細胞などのさまざまな成分が含まれています。尿沈渣検査では、これらの成分や量を顕微鏡で調べることにより、腎臓や膀胱の状態がわかります。

当センターでは、尿定性、尿沈渣は採尿から60分程度で検査結果を報告しています。
尿を採るときにはできるだけ中間尿(※)の採取をお願いしています。

※中間尿とは:最初の尿は採取せず、排尿を止めずに途中の尿を採尿容器に採取します。最後の尿も採取せずに廃棄します。

1.尿定性検査 尿中の成分を調べます。

検査項目 基準値 この検査でわかること
pH 4.5~7.5 pH 7.0を中性としてそれより低値が酸性、高値がアルカリ性です。pHの値は体内の平衡を保つため1日のうちでも大きく変動します。
尿比重 1.010~1.025 尿の濃縮具合を調べる検査です。腎臓は濃い尿や薄い尿をつくることによって体内の水分を調節します。1日のうちでも大きく変動します。
尿蛋白 (-) 尿中に蛋白が出ていないかを調べる検査です。腎臓病の早期発見に役立ちます。
尿糖 (-) 糖尿病発見の手がかりになる検査です。血糖値が高いときは尿中に出てくる場合があります。
ケトン体 (-) 糖尿病や糖摂取異常などを知るために行う検査です。
尿潜血 (-) 尿中に血液が混入していないかを調べる検査です。腎臓や膀胱などの炎症・腫瘍、結石などで陽性になります。
尿ビリルビン (-) 肝・胆道系の病気の診断の手がかりになります。
ウロビリノーゲン (±)
亜硝酸塩 (-) 膀胱内に細菌による炎症がないかを調べる検査です。
白血球 (-) 尿の通り道に炎症がないかを調べる検査です。

2.尿沈渣検査 顕微鏡で尿中にどんな成分がどのくらい含まれているかを調べます。

検査項目 基準値 この検査でわかること
赤血球(写真①) 強拡大1視野に4個以下 腎・尿路系の出血性病変を示唆する重要な有形成分です。
白血球(写真②) 強拡大1視野に4個以下 腎・尿路系感染症など炎症性病変の存在を示唆する重要な有形成分です。
扁平上皮細胞(写真③) 強拡大1視野に4個以下 膣トリコモナスや細菌感染などによる尿道炎、尿道結石症、カテーテル挿入などによる機械的損傷後、前立腺癌のエストロゲン治療中などの場合に多く出現します。また、女性は尿路系に異常がなくても外陰部由来、膣部由来の扁平上皮細胞が赤血球や白血球、細菌などとともに混入します。
尿路上皮細胞
(移行上皮細胞)
種々の疾患で認められるが、健常人にも少数出現します(強拡大1視野に1個以下) 膀胱炎、腎盂腎炎、尿管結石など腎杯・腎盂から内尿道口までの炎症、結石症、カテーテル挿入による機械的損傷を受けた場合などに認められます。
尿細管上皮細胞 種々の疾患で認められるが、健常人にも少数出現します(強拡大1視野に1個以下) 糸球体腎炎、ネフローゼ症候群、腎硬化症、ループス腎炎、嚢胞腎などの腎実質疾患患者尿に高率に認められます。また、腎虚血または腎血漿流量減少を来す病態や、種々の化学薬品および薬物などによって腎障害やアレルギー反応を起こした場合にも、高率に認められます。
硝子円柱(写真④) 全視野1個以下 健常者でも認められることもあり、とくに激しい運動後では出現頻度が高くなります。また、蛋白尿を呈する腎疾患や全身性の血流障害などでも認められることがあります。
細胞質内封入体細胞   膀胱炎、腎盂腎炎、尿路変更術後、腎薬物中毒などの非特異的な炎症時に出現します。
尿沈渣像

①赤血球

②白血球

③扁平上皮細胞

④硝子円柱

3.便潜血検査

検査項目 基準値 この検査でわかること
便潜血 (-) 便に血液が混ざっていないかを調べる検査です。消化管の悪性腫瘍(大腸癌など)や潰瘍、寄生虫感染、血液疾患による消化管出血などのスクリーニングに用いられます。

4.髄液検査

この検査でわかること
髄膜炎や脳炎をはじめとする炎症性疾患や中枢神経由来の腫瘍、転移性腫瘍などの診断の際に実施します。髄液の外観や髄液内の細胞数、糖、蛋白などが増加または減少していないかを調べます。

細菌検査

細菌検査は、感染症の原因となっている細菌や真菌(カビ)を見つけ出し、その菌にどのような抗生物質がよく効くかを調べます。また、各種感染症情報を院内に提供し、院内感染対策に役立たせています。

検査の手順

検査材料

気管支や肺の病気が疑われる時には喀痰を、感染性腸炎(感染性下痢症)が疑われる時には便を、膀胱炎や尿道炎が疑われる時には尿、敗血症(体の中に細菌感染巣があり血液中に菌が侵入する病態)が疑われる時には血液など、患者さんに由来するあらゆるものが含まれます。

1.塗抹・顕微鏡検査

検査材料を直接スライドガラスに塗りつけ、グラム染色という染色をします。それを顕微鏡で観察して菌の存在の有無を調べ、菌の形態の特徴などから菌種の推定を行います。検査材料が検査室に届いてから1時間以内の迅速な報告をしています。

左の写真は、グラム染色したスライドを顕微鏡(1000倍)で観察したものです。

患者さんの咽頭粘液から肺炎球菌が検出されました。

2.分離培養・同定検査

栄養分を含んだ寒天(培地)に検査材料を塗って培養を行います。材料の種類、予想される目的菌によって、培地、培養時間、培養環境を選択します。発育してきた菌の形、性質などにより何菌なのかを調べて(同定)、種々の同定用培地、または自動機器によって菌の名前を決定します。

3.薬剤感受性検査

菌の名前が決定されると、どのような薬剤が効くのか、効かないのかを調べて判定します。

4.迅速検査 (抗原検出・毒素検査)

培養検査を行わずに細菌の抗原や毒素を検出することで1時間以内に結果報告することができます。
下痢の原因となるノロウィルス抗原、肺炎の原因となるインフルエンザウイルス抗原や肺炎球菌抗原、また細菌の出す毒素検査(CDトキシン)などがあります。

5.尿素呼気試験

ヘリコバクターピロリ菌の消化管内感染の有無を調べる検査です。


輸血管理室

輸血管理室では、病気や治療で輸血が必要になった患者さん一人一人に対して、より安全で最適な輸血を実施するために、次のような業務を行います。

輸血に関する検査

1.血液型検査 ABO式血液型と、Rh式血液型を実施しています。
2.不規則抗体検査  輸血や妊娠などで、抗体が産生された場合、輸血した血液が凝集し血液を溶かす(溶血)ことがあります。このような抗体が存在していないかどうかを調べる検査です。
3.交差適合試験  輸血を受ける患者さんの血液と、輸血用血液製剤の血液を、試験管などの中であらかじめ混合し、輸血が適合するかどうかを調べる検査です。

輸血用血液製剤の管理

当院では平成20年3月より輸血管理室における血液製剤および血漿分画製剤の一元管理を行っています。主に取り扱っている製剤には以下のようなものがあります。

血液製剤

赤血球製剤(Ir-RBC-LR):主に貧血を改善するために使用します。
血小板製剤(Ir-PC-LR):止血・出血防止のために使用します。
新鮮凍結血漿製剤(FFP-LR):凝固因子の補充のために使用します。

血漿分画製剤

アルブミン製剤、免疫グロブリン製剤、血液凝固因子製剤、アンチトロンビンIII製剤、フィブリン糊製剤

血漿は、各種のタンパク質と、ブドウ糖、脂質、金属イオン、電解質、ホルモン、ビタミンなどを含んだ液体です。そのうち、特に重要な「タンパク質」をそれら成分ごとに精製したものが「血漿分画製剤」と呼ばれるものです。
これらの血液製剤、血漿分画製剤の発注、保管、払い出しなどを行います。

末梢血幹細胞採取と保管管理

末梢血幹細胞とは血液の成分である赤血球や白血球などの元になる細胞で、普段はほとんどが骨髄中にあります。この骨髄にある造血幹細胞をG-CSFという薬剤を投与することにより大量に作り出します。そして骨髄から血液中にあふれ出た造血幹細胞をできるだけ他の血液成分を除いた形で採取します。この採取した末梢血幹細胞を調整、凍結保存し、移植する日まで適切な温度管理のもと保存・管理しています。

自己血輸血

輸血には献血された他人の血液を使う場合(同種血輸血)と、あらかじめ自分の血液を貯めておいて使う自己血輸血とがあります。自分の血液を使うため感染症やGVHDの危険はありません。全身状態がほぼ良好な患者さんで、出血することが予想される手術やまれな血液型や不規則性抗体がある場合も適応となります。担当医にご相談ください。

適正輸血と安全確保のための取り組み

輸血は、患者さんに十分な説明と同意をいただいた上で実施されます。 輸血が必要になったら、担当医から輸血管理室に依頼がきます。輸血管理室では、事前に検査した患者さんの血液型や不規則抗体の有無、輸血歴等の情報をもと に交差適合試験を行い、患者さんに最適な血液製剤を選択します。輸血管理室では、迅速で安全な輸血ができるよう最大の努力をしています。また、輸血用血液製剤が、献血者の善意により供給されていることを念頭に置き、廃棄血が出ないよう、そして適正な輸血がされるようセンター内に注意を喚起しています。

 

ページトップへ