大腸骨盤外科

常勤医師

担当医師名 診療日 専門分野/学会認定等
藤田 伸
(ふじた しん)
藤田 伸
【一般外来】
月(午前)

【精検外来】
火(午前・午後)

【セカンドオピニオン外来】
(主に大腸)
木(午後)
理事 兼 副病院長
(大腸骨盤外科 兼務)

◆慶應義塾大学卒 医学博士
・日本外科学会評議員・専門医・指導医
・日本消化器外科学会専門医・指導医
・消化器がん外科治療認定医
・日本がん治療認定医機構認定医
・ICD制度協議会認定医
・JCOG0212臨床試験研究事務局研究代表者
・日本医療バランストスコアカード学会認定指導者
・臨床倫理アドバイザー
小澤 平太
(おざわ へいた)
小澤 平太
【一般外来】
水(午前)
大腸骨盤外科 科長

◆北里大学大学院卒 医学博士
・日本外科学会専門医・指導医
・日本消化器外科学会専門医・指導医
・消化器がん外科治療認定医
・日本消化器内視鏡学会専門医
・日本大腸肛門病学会専門医・指導医・評議員
・日本内視鏡外科学会技術認定医・評議員
坂本 純一
(さかもと じゅんいち)
坂本 純一
【一般外来】
水(午後)
大腸骨盤外科 医師

◆名古屋市立大学卒
・日本外科学会専門医
・消化器外科専門医
・日本がん治療認定医機構認定医
・消化器がん外科治療認定医
中西 宏貴
(なかにし ひろき)
中西 宏貴
【一般外来】
水(午前)
大腸骨盤外科 医師

◆滋賀医科大学卒
・日本外科学会専門医
・日本がん治療認定医機構認定医
豊田 尚潔
(とよた なおゆき)
豊田 尚潔
【化療患者】
火(午前・午後)
※第1・第3・第5
大腸骨盤外科 医師

◆慶應義塾大学卒

外来診療のご案内外来診療日程表診療案内

担当疾患

悪性疾患

結腸および直腸癌(大腸癌)
肛門(管)癌

小腸癌および虫垂癌
腹膜偽粘液腫
粘膜下腫瘍(GIST、カルチノイド)
炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎やクローン病)に併発した大腸癌
骨盤内腫瘍
後腹膜腫瘍

良性疾患

憩室炎
虚血性大腸炎
腸閉塞

特長

1.患者さんに優しい手術を目指しています

腹腔鏡下手術(LAC)は、その拡大視効果により、精緻なリンパ節郭清が行えること、自律神経や血管などの損傷を回避しうることから、患者さんに侵襲の少ない手術として普及してきました。当院でも1993年に早期結腸癌に対してLACを開始し、2010年には直腸癌にも適応を拡大いたしました。その後も徐々に適応を拡大し、現在は全大腸癌手術のおよそ90%をLACで行っています(図1)。LAC施行率が5%程度であった時代と90%以上である現在の当院の治療成績を比較してみると、侵襲性だけでなく長期成績もふくめて現在のほうが良好であるといえます。(表1)

2020年10月からは直腸癌に対してダビンチXiサージカルシステムを用いたロボット支援下手術を開始いたしました(図2)。
ロボット支援下手術では、術者はSurgeon consoleという、「コクピット」から鉗子やカメラを遠隔操作して手術を行います(図3)。
3D高画質立体的映像によるvirtual realityと、コクピットに顔をうずめる没入感により、術者はまるで患者さんの体の中に入って手術を行っているような感じがします。

また、ダビンチ手術で使用する鉗子類(インスツルメント)は人間の手よりも広い可動域を持つため、複雑かつ繊細な動きが可能で、術者の指先の動きを明確に再現します。なおかつ手振れ防止機能も有するため、従来のLACよりもさらに正確な手術を行うことが可能です(図4)。
骨盤深部での手術、すなわち肛門に近い下部直腸癌の手術はLACをもってしても大変でしたが、ダビンチ手術ではスコープを骨盤深部まで容易に進入させ安定した術野を確保できることから、直腸癌手術の中でも超低位前方切除術や内肛門括約筋切除術などの最深部での手術や大きな腫瘍、肥満症例など難易度の高い手術において、よりその効果を実感できるものと思われます(図5A-C)。
さらに、ダビンチXiサージカルシステムでは、インドシアニングリーン(ICG)を静注しダビンチに内蔵された蛍光内視鏡で赤外蛍光波長を使って臓器を観察すると、血流を視認することができます(図5D)。
この機能を使って血流が豊富な部分で腸管を吻合すると縫合不全の発生率が低下することが報告されています。

2.多数のカンファレンスを行っています

私たち大腸骨盤外科グループでは、外科、腫瘍内科、消化器内科、病理診断科など関連各科によるキャンサーボードで治療方針を検討しています(図6)。
とりわけ再発例や遠隔転移例などの高度進行例、多臓器にまたがる巨大腫瘍などは全科的で臓器横断的な議論のもとに治療方針を決定しています。治療方針は本邦の大腸癌治療ガイドラインに則って決定していますが、欧米のガイドラインや最新の臨床試験の結果なども参考にしながら、個々の患者さんに最適な方法を詳細に検討していることが特徴です。
また、外科病棟の看護師やWOC、薬剤師なども含めた多職種カンファレンスを毎週行っています(図7)。
このカンファレンスを通して入院中の患者さんの病状や社会背景などの情報を皆で共有し、患者さんを退院まで支援していくよう努めています。
それ以外にも、ビデオカンファレンスを毎日行い、前日行った手術動画を見て、手技の向上に努めたり、大腸骨盤外科カンファレンスで、外来化学療法治療中の患者さんのレジメンや手術へのconvertの可能性などについても検討したりしており、常にチームで治療を行うよう努めています。

3.進行直腸癌に対する総合的な治療戦略

これまで、欧米の下部進行直腸癌に対する標準治療は、術前化学放射線療法(NCRT)+手術が標準治療とされてきました。この方法は、直腸癌の局所再発を抑制することが期待されることから、2011年に当院でも導入し、良好な成績を得てきました。しかし、下部進行直腸癌の中でも、リンパ節転移数が多く悪性度の高いものではNCRTだけでは遠隔転移を抑えることができないと言われています。
そこで欧米では、近年、NCRTにさらに術前化学療法(NAC)を加えた治療を行うことで5年無再発生存率が改善することが大規模臨床試験の結果で明らかにされました(75.5% vs. 68.5%, HR 0.69 95%CI 0.49-0.97, p=0.034; PRODIGE 23 trial, Lancet Oncol, 22, 702-715, 2021)。
また、RAPIDO trialではNCRT+NACの薬物放射線治療効果判定Grade3 (pCR)率がNCRTにくらべて上回っていることが示されました(28.4% vs. 14.3%, OR2.37, p<0.0001; Lancet Oncol,22, 29-42, 2021)。このように、手術だけでなくNCRTやNACを組み合わせた総合的術前治療をTotal Neoadjuvant Therapy(TNT)といい、欧米のガイドラインで推奨されるようになりました。
そこで、当院でも十分に検討し、リンパ節転移個数が多いものや側方リンパ節転移があるような、より進行した直腸癌の患者さんには、2020年10月からTNTを導入しました。今後、再発率の高かったこれらの患者さんの治療成績が向上することが期待されます。

4.多くの臨床試験に参加しています

当院の大腸骨盤外科グループは、日本臨床腫瘍研究グループ(JCOG)が行っている多くの臨床試験に参加しています。JCOG以外の多施設共同研究にも参加し、ガイドラインに収載される前の最新の治療を多くの患者さんに受けていただく機会が増えるように努めています(表2)。


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